
冬の朝。カーテンをシャッと開けたら、窓がびっしょり。
「うわ、またか……」
雑巾を持ってきて、窓を拭く。サッシの溝にも水がたまっている。昨日も拭いたのに、明日もきっと同じ。
上越の冬、こんな朝に心当たりはありませんか?
「冬なんだから、結露くらい仕方ないよね」
そう思いがちですが、実は毎朝の窓拭きだけで終わらせたくない理由があるんです。
水滴を放っておくと、どうなる?
窓が濡れること自体も面倒。でも気になるのは、その先です。
窓枠がいつも湿っている。カーテンの端が黒ずんできた。ふと見ると、壁紙にも点々とした汚れが……。
湿った状態が続くと、カビが発生しやすくなります。世界保健機関(WHO)は、室内の湿気やカビと、ぜんそく・呼吸器症状などとの関連を報告しています。結露があるだけで病気になる、という意味ではありません。でも、気持ちよく暮らすためにも、湿気はため込みたくありませんね。
じゃあ、この水滴はいったいどこから来るのでしょう?
実は、窓の水滴は「部屋の中」から来ています
外から水が入ってきたわけでもないのに、窓が濡れる。なんだか不思議ですよね。
正体は、空気中の水蒸気です。
暖かい室内の空気には水蒸気が含まれています。その空気が、外の寒さで冷えた窓ガラスに触れると、表面付近で冷やされて水滴になることがあります。これが結露です。
つまり原因は、「空気中の湿気」と「冷たい窓」の組み合わせ。窓だけが悪者というわけではないんです。
💧
室内の湿気
洗濯・料理・入浴など
🪟
冷たい窓
冬の外気で表面が冷える
💦
結露が発生
水蒸気が水滴に変わる
洗濯物も、お料理も。暮らしには湿気がつきもの
ここで、冬の一日を思い浮かべてみてください。
雪や雨で洗濯物は室内干し。夕飯の支度をして、お風呂に入って。乾燥が気になれば加湿器も使う。
どれも、普段どおりの暮らしです。でも、そのたびに室内の水蒸気は増えます。
「じゃあ、室内干しをやめなきゃダメ?」
いいえ。上越の冬に、それは現実的じゃありませんよね。室内干しや料理を我慢するのではなく、いつもの暮らしを続けながら、空気をどう入れ替えるか。そこを考えたいんです。
窓を開けて換気すれば、それで解決?
🌬️ 空気の通り道を確保 給気口・排気口・フィルターを確認
🌡️ 暖かさを保つ 窓や壁の断熱と暖房を一緒に考える
🧽 濡れた部分を乾かす 目の前の水滴は放置しない
🪟 仕組みから見直す 繰り返すなら換気計画や窓の性能を確認
「換気が必要なら、窓を開ければいいんじゃない?」
たしかに、それも一つの方法です。でも、真冬の上越で窓を開け続けるのはどうでしょう。せっかく暖めた室内が寒くなってしまいますよね。
必要な空気を入れ替えながら、暖かさも保つ。 ここが、冬の住まいの難しさであり、設計で考えたいところです。
換気システムは、単に換気扇を付ければ終わりではありません。どこから外気を取り入れ、どの部屋を通り、どこから排出するのか。必要な風量が確保されるのか。家の気密性や断熱性、暖房との関係まで考えて、初めて計画的な換気になります。
換気の方法には、排気を機械で行う第三種換気や、給気と排気を機械で行う第一種換気などがあります。熱交換型なら換気による熱損失を抑えることもできます。ただ、どれか一方式がすべての住宅にとって正解というわけではありません。設計、施工、維持管理まで含めた仕組みが大切です。
国土交通省の資料でも、気密性を確保する目的の一つに「換気経路を明確にして、計画換気を行うこと」が挙げられています。
今の家でできることとしては、まず換気設備が正常に動いているか、給排気口やフィルターが塞がっていないかを確認すること。結露する部屋の室温・湿度を測ること。そして、水滴は放置せず拭き取って乾かすことです。
ただ、これらは応急的な確認でもあります。結露が繰り返されるなら、暮らし方の我慢だけに頼らず、住まいの換気計画と断熱性能を見直すことが大切だと思います。
窓が冷たくなりにくければ、朝は変わるかもしれない
換気を計画しても、窓の表面が冷たければ結露することがあります。だから、換気と切り離さずに窓の断熱も考えたいんです。
たとえば、今ある窓の内側にもう一つ窓を設ける「内窓」。あるいは、断熱性能の高い窓への交換。
こうした方法で室内側の窓の表面温度が下がりにくくなると、結露を軽減できる場合があります。窓際の冷えを和らげる効果も期待できます。
とはいえ、内窓を付ければ必ず結露ゼロ、というわけではありません。既存の外窓側に結露が出ることもありますし、家全体の湿気や換気の状態によっても変わります。
だからこそ、窓だけを見てすぐ工事を決めるより、住まいの状態と暮らし方を一緒に考えることが大切です。
「結露だと思ったら雨漏り」も、見逃したくない
ひとつ注意したいことがあります。
雨や雪の日だけ窓の周りが濡れる。壁紙に染みが広がる。木の部分が傷んでいる。
そんなときは、単なる結露ではなく、雨水の侵入などが関係している可能性もあります。いつ、どこが濡れるのかを記録して、原因を確かめましょう。
換気だけでも、断熱だけでもないんです。
「結露が気になる。じゃあ、換気を増やそう」
でも、それで部屋が寒くなってしまったら困りますよね。
「ならば、窓の断熱を良くすればいい?」
それも大切。でも、窓だけ直せばすべて解決するのでしょうか。
実は、住まいの快適さはそんなに単純ではありません。
断熱・気密・換気・暖房。どれか一つではなく、組み合わせて考えること。
断熱で窓や壁を冷えにくくする。気密で余計な隙間風を抑え、計画した空気の流れをつくりやすくする。換気で必要な空気を入れ替える。そして暖房で室内の暖かさを保つ。
それぞれがちゃんと働くように、家全体を一つの仕組みとして考えるんです。
内山工務店が考えているのは、その先の暮らしです。
内山工務店では、断熱・気密・換気・暖房を別々のものとしてではなく、互いに関係する仕組みとして考えています。
断熱材を厚くするだけでも、高性能な設備を付けるだけでもありません。外の空気をどこから取り入れ、どこを通り、どこから出すのか。家全体の暖かさをどう保ち、暮らしやすさにつなげるのか。
住まいの性能は、数字を競うためだけのものではありません。冬の朝に寒さを我慢しなくていいこと。毎日の面倒が少し減ること。家で過ごす時間が気持ちいいこと。そんな暮らしにつながってこそ意味があると考えています。
なお、今ある家のリフォームでは、建物の状態や予算によってできることが違います。すべてを一度に変えるのではなく、どこから手を入れると暮らしが良くなるか、一緒に考えることが大切です。
暮らしから、家を考える。
結露の悩みも、そんな家づくりの入り口かもしれません。
窓の結露、気になることがあれば
「寝室の窓だけびっしょり」「窓枠が黒ずんできた」など、困っていることをそのまま教えてください。窓の交換が必要かどうかも含めて、状況から考えましょう。
リフォームについて / 修繕について / 住まいの性能について